漫画家まどの一哉ブログ
「彼らは廃馬を撃つ」 ホレス・マッコイ
読書
「彼らは廃馬を撃つ」ホレス・マッコイ 作
「彼らは廃馬を撃つ」ホレス・マッコイ 作
1920年代のハリウッド。ダンスマラソンなるものがあって、男女のペアで夜を日に継いで倒れるまで踊り続け、最後に残ったものが賞金を手にするというイベント。実際人気を博していたそうだが、その面白さが想像できない。踊り手もフラフラだろうし、そんなに長時間見ていられるものかな?
またダービーレースも行われ、なんと踊りながらトラックをクルクル周回するのだが、ステップを踏みながら走るのはどんなぐあいなのか?
主人公のペア2人はいつの日かハリウッド映画界で栄光を手にすることを夢見て生きてきたのだが、女の方は既に人生に絶望しており、毎日を鬱鬱と生きる人間。出る言葉は全否定と悪態であり、周りの人間に対する愛想も笑顔もない。この女の存在がこの小説を特異なものにしている。女が希望どおり相方に殺してもらって人生を終えたところから話は始まり、そこへ戻る仕掛け。
全編ほぼダンスのシーンでめったに外へも出ないし、パルプマガジンの作品にしてはまったく解放感がない。苦行のようなハナシだ。
PR
COMMENT