漫画家まどの一哉ブログ
「ハイドラ」 金原ひとみ
読書
「ハイドラ」金原ひとみ 作
やや昔の作品だが金原ひとみも読んでみた。
ライターやカメラマンやスタイリストなど、クリエイティヴ業界の人間ばかり出てきて空々しい印象。女同士の会話も定番の絵に描いたようなセリフで、全体としてテレビドラマや漫画のようだが、これも設定をしっかり描いて徐々に話の核心へ向かうための助走だ。後半になって筆が乗ってくると活きてくる。
主人公の若い女性はモデルであり有名カメラマンと同棲しているが、性的関係と被写体としてのみ存在を許されている隷属的状態。太らないために大量の食品を噛み砕いては吐き出す行為を毎夜自分に課す。こういった病的な拒食・過食も多く小説や漫画に描かれてきているので、都合よく使われた感がないか注意が必要だ。
やがて彼女が出会い恋するミュージシャンは裏表のない善意にあふれた人間で、多方面にいくつもの顔を使い分けて傷つくことを避けているような彼女の生き方とは正反対の人物。陰湿なカメラマンとも真逆。この男を配置したことで話が俄然面白くなり読む方はドキドキとする。結局彼女はカメラマンに強要された自身のあり方を振り切ることができないが、話の展開からこうならざるを得ないだろうと納得してまう。
「ハイドラ」金原ひとみ 作
やや昔の作品だが金原ひとみも読んでみた。
ライターやカメラマンやスタイリストなど、クリエイティヴ業界の人間ばかり出てきて空々しい印象。女同士の会話も定番の絵に描いたようなセリフで、全体としてテレビドラマや漫画のようだが、これも設定をしっかり描いて徐々に話の核心へ向かうための助走だ。後半になって筆が乗ってくると活きてくる。
主人公の若い女性はモデルであり有名カメラマンと同棲しているが、性的関係と被写体としてのみ存在を許されている隷属的状態。太らないために大量の食品を噛み砕いては吐き出す行為を毎夜自分に課す。こういった病的な拒食・過食も多く小説や漫画に描かれてきているので、都合よく使われた感がないか注意が必要だ。
やがて彼女が出会い恋するミュージシャンは裏表のない善意にあふれた人間で、多方面にいくつもの顔を使い分けて傷つくことを避けているような彼女の生き方とは正反対の人物。陰湿なカメラマンとも真逆。この男を配置したことで話が俄然面白くなり読む方はドキドキとする。結局彼女はカメラマンに強要された自身のあり方を振り切ることができないが、話の展開からこうならざるを得ないだろうと納得してまう。
PR
COMMENT