漫画家まどの一哉ブログ
「草の上の朝食」 保坂和志
読書
「草の上の朝食」 保坂和志 作
著者初期作品。ほのぼのと平和で愉快な感触があって楽しい。男女数名の若いもんが同居していて、毎日近所一帯の猫にエサをやって回ったり、拾ってきたキーボードの練習をしたり、ダフ屋の手伝いをやってチケットをもらったり、主人公は土日は競馬。喫茶店で友人の神秘的予想を聞いたり、その喫茶店のバイトの娘をデートに誘ったりする。悪い奴が出てこない。
だいたい他人同士4~5人も主人公のアパートに同居していて、オフタイムにプライベートが無い状態でケンカも起きず、そんなに働いていないのに経済問題も起きていないなんてことは、リアリズムでいうとありえないから、これは一種のファンタジーで、だからこんなに面白いのか。
文章は自分が文芸基本体とでも思っている文体で、「〇〇はこんなであんなでこういう時はこうなのだが、そうは言ってもこんな時はどうだしああだしこういうことでもあるので、それならああやってこうやっているんだなあということになっていた」というリズムで繋がっていく。これが最後まで続く。よくある文体だが平凡な日常をファンタジー化するのには向いているのかも。
「草の上の朝食」 保坂和志 作
著者初期作品。ほのぼのと平和で愉快な感触があって楽しい。男女数名の若いもんが同居していて、毎日近所一帯の猫にエサをやって回ったり、拾ってきたキーボードの練習をしたり、ダフ屋の手伝いをやってチケットをもらったり、主人公は土日は競馬。喫茶店で友人の神秘的予想を聞いたり、その喫茶店のバイトの娘をデートに誘ったりする。悪い奴が出てこない。
だいたい他人同士4~5人も主人公のアパートに同居していて、オフタイムにプライベートが無い状態でケンカも起きず、そんなに働いていないのに経済問題も起きていないなんてことは、リアリズムでいうとありえないから、これは一種のファンタジーで、だからこんなに面白いのか。
文章は自分が文芸基本体とでも思っている文体で、「〇〇はこんなであんなでこういう時はこうなのだが、そうは言ってもこんな時はどうだしああだしこういうことでもあるので、それならああやってこうやっているんだなあということになっていた」というリズムで繋がっていく。これが最後まで続く。よくある文体だが平凡な日常をファンタジー化するのには向いているのかも。
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