漫画家まどの一哉ブログ
「お供え」 吉田知子
読書
「お供え」吉田知子 作
いつの間にか死んだ人と会話していたり、あれ?この人はもう死んだのではなかったの?と思っているうちに抜け出せない迷路をさまよっている。事の成り行きはたいがいうまくいかず、こちらの意思は通じず、行き着くところのないまさに悪夢的な世界。そのほとんどが古い日本の田舎町で起きることで、土着的な怪異と不条理が存分に味わえて楽しい。
そういうスタンダードな怪異もあれば、表題作「お供え」などは、ある頃から家の門柱に、誰の仕業か花が添えられるようになり、隣の空き地では何やら宗教的な集会が始まり、自分ちの庭には賽銭が投げ込まれ、自分はもう何もしなくていい気持ちになり、だんだんと神様にまつり上げられていくという他に類を見ない設定。
また村で殺人事件があり山狩りをして犯人を探していると思ったら、自分も凶暴な性格であり、探されている殺人者は実は自分だったというような恐ろしさに満ちた怪作もある。
日本怪異幻想小説の名品。
「お供え」吉田知子 作
いつの間にか死んだ人と会話していたり、あれ?この人はもう死んだのではなかったの?と思っているうちに抜け出せない迷路をさまよっている。事の成り行きはたいがいうまくいかず、こちらの意思は通じず、行き着くところのないまさに悪夢的な世界。そのほとんどが古い日本の田舎町で起きることで、土着的な怪異と不条理が存分に味わえて楽しい。
そういうスタンダードな怪異もあれば、表題作「お供え」などは、ある頃から家の門柱に、誰の仕業か花が添えられるようになり、隣の空き地では何やら宗教的な集会が始まり、自分ちの庭には賽銭が投げ込まれ、自分はもう何もしなくていい気持ちになり、だんだんと神様にまつり上げられていくという他に類を見ない設定。
また村で殺人事件があり山狩りをして犯人を探していると思ったら、自分も凶暴な性格であり、探されている殺人者は実は自分だったというような恐ろしさに満ちた怪作もある。
日本怪異幻想小説の名品。
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