漫画家まどの一哉ブログ
「カシタンカ・ねむい」 チェーホフ
読書
「カシタンカ・ねむい」チェーホフ 作
「カシタンカ」:ふとした原因で街なかで飼い主とはぐれた赤犬のカシタンカ。見知らぬ男に拾われた先にはガチョウや猫や豚が暮らしていて、みんな立派に芸を仕込まれているのだ。やがてカシタンカも芸を覚え、いよいよサーカスの初舞台に立つが…。数奇な運命を経てまた以前の飼い主のところへ戻るカシタンカ。飼い主が変わるたびに、それまでの暮らしが遠い記憶となっていく儚さ。つげ義春の「峠の犬」を思い出した。その他「大ヴォロージャと小ヴォロージャ」「アリアドナ」など奔放に生きる思慮浅い女の人生が読み応えあり。
この岩波文庫版は作家で翻訳者の神西清にスポットを当てていて、チェーホフ評2編と訳者にまつわるエピソードなどが収録されている。神西によるとチェーホフは誠に冷徹な科学信奉者で、何事につけても心が揺れ動くこともなく、常に観察者であったようだが、それにしてはこれだけ喜怒哀楽に溢れた人間ドラマをよく作れたなと不思議な気がする。
「カシタンカ・ねむい」チェーホフ 作
「カシタンカ」:ふとした原因で街なかで飼い主とはぐれた赤犬のカシタンカ。見知らぬ男に拾われた先にはガチョウや猫や豚が暮らしていて、みんな立派に芸を仕込まれているのだ。やがてカシタンカも芸を覚え、いよいよサーカスの初舞台に立つが…。数奇な運命を経てまた以前の飼い主のところへ戻るカシタンカ。飼い主が変わるたびに、それまでの暮らしが遠い記憶となっていく儚さ。つげ義春の「峠の犬」を思い出した。その他「大ヴォロージャと小ヴォロージャ」「アリアドナ」など奔放に生きる思慮浅い女の人生が読み応えあり。
この岩波文庫版は作家で翻訳者の神西清にスポットを当てていて、チェーホフ評2編と訳者にまつわるエピソードなどが収録されている。神西によるとチェーホフは誠に冷徹な科学信奉者で、何事につけても心が揺れ動くこともなく、常に観察者であったようだが、それにしてはこれだけ喜怒哀楽に溢れた人間ドラマをよく作れたなと不思議な気がする。
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