漫画家まどの一哉ブログ
「精神と自然」 ヘルマン・ワイル
読書
「精神と自然」ヘルマン・ワイル 著
「精神と自然」ヘルマン・ワイル 著
数学家ワイルの講演録数編。
存在や時間など形而上的な関心はあってもいわゆる哲学書には辟易している自分。しかし数学からアプローチしていれば何かしら発見するところがあるのでは?という思いで読んだ。もっとも数学にはからきし弱いワタクシとしては数式の部分は飛ばして読むのだけれど、講演録であるため数式もほどほどで話も分かりやすかった。これくらいの数式なら誰かに教えて貰えばわかるかもしれない。
実はよく知らない大学者ワイルが活躍したのは、量子力学が花開き実存主義が先端であった時代。ハイデガーやフッサール、フィヒテなどの観念論が紹介されるが、どう読んでも深化しているというより堂々巡りにしか思えない。ところがこれを幾何学のアナロジーとして座標を使って図示されるとやはり何かしら明晰になったような気がする。懐かしの光円錐を使えば時間に対する把握もちょっとだけ日常から離れて俯瞰できる感じがした。
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