漫画家まどの一哉ブログ
「クロイツェル・ソナタ/悪魔」 トルストイ
読書
「クロイツェル・ソナタ/悪魔」トルストイ 作
「クロイツェル・ソナタ」:長距離列車の中で道連れとなった男の打ち明け話を聞くという設定。この男は妻を殺してしまい、情状が認められて無罪となったが、絶望的な思いで旅をしているのだった。ほぼ全編この男の一人語りだが、実際の殺人に至るまでの経過が語られるのは後半からで、それまでは延々この男の恋愛や性愛・結婚に対する否定的見解が語られるのみというあんまりな構成だ。
事件が語られ始めてからは面白く、殺人時と殺人後の心理までしっかりと追っているところはさすがに大したものだ。
「悪魔」:経営に苦しむ若い農場主が、自分を全面的に信頼してくれる健気な妻があるにもかかわらず、農園で働くある女の肉体が忘れられず、理性では太刀打ちできない性欲に苦しんで、あげくに破滅に至るという話。
ストーリーはなんのひねりもないのだが、女のことは思い切って晴れ晴れとした気持ちでいたはずなのに、いざその女を見るとフラフラと衝動に身を任せてしまう恐ろしさ。その辺りは実にリアルだが、これは読む方の倫理観もある。
「クロイツェル・ソナタ/悪魔」トルストイ 作
「クロイツェル・ソナタ」:長距離列車の中で道連れとなった男の打ち明け話を聞くという設定。この男は妻を殺してしまい、情状が認められて無罪となったが、絶望的な思いで旅をしているのだった。ほぼ全編この男の一人語りだが、実際の殺人に至るまでの経過が語られるのは後半からで、それまでは延々この男の恋愛や性愛・結婚に対する否定的見解が語られるのみというあんまりな構成だ。
事件が語られ始めてからは面白く、殺人時と殺人後の心理までしっかりと追っているところはさすがに大したものだ。
「悪魔」:経営に苦しむ若い農場主が、自分を全面的に信頼してくれる健気な妻があるにもかかわらず、農園で働くある女の肉体が忘れられず、理性では太刀打ちできない性欲に苦しんで、あげくに破滅に至るという話。
ストーリーはなんのひねりもないのだが、女のことは思い切って晴れ晴れとした気持ちでいたはずなのに、いざその女を見るとフラフラと衝動に身を任せてしまう恐ろしさ。その辺りは実にリアルだが、これは読む方の倫理観もある。
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