漫画家まどの一哉ブログ
「白鳥古丹(カムイコタン)」 吉田一穂傑作選
読書
「白鳥古丹(カムイコタン)」吉田一穂傑作選
(幻戯書房)
帯文に「極北に屹立した絶対詩人」とあるが、まさにそのとおり。吉田一穂の随想集。
私はけっして詩魂のあるものではないが、なんとなくその硬質な風情に捨て置かれないものを感じていた吉田一穂。あらためてエッセイを読んでみたが、さすがにただごとではない表現で理解できないまでも脳が興奮した。随想だからといって力を抜くことがない。
意外だったのはこれだけの博識と縦横無尽な言葉の使い手でありながら、一穂が大自然を足場とする人だったことで、北海道の津軽海峡を臨む網元の出自。魚を取り畑を耕し牛を飼って生きることができる人。生涯を東京での文筆生活で明け暮れたにせよ、肉体を使って自然と共に生きるのが人間の本来的なあり方だと体で分かっている人だった。
芥川の自死についても、生活することへの未熟な認識と頭でっかちな人生を批判する。
総じて骨太の、大地に根付いた腹のすわった詩風である。私にはこれくらいしか言えない。
「白鳥古丹(カムイコタン)」吉田一穂傑作選
(幻戯書房)
帯文に「極北に屹立した絶対詩人」とあるが、まさにそのとおり。吉田一穂の随想集。
私はけっして詩魂のあるものではないが、なんとなくその硬質な風情に捨て置かれないものを感じていた吉田一穂。あらためてエッセイを読んでみたが、さすがにただごとではない表現で理解できないまでも脳が興奮した。随想だからといって力を抜くことがない。
意外だったのはこれだけの博識と縦横無尽な言葉の使い手でありながら、一穂が大自然を足場とする人だったことで、北海道の津軽海峡を臨む網元の出自。魚を取り畑を耕し牛を飼って生きることができる人。生涯を東京での文筆生活で明け暮れたにせよ、肉体を使って自然と共に生きるのが人間の本来的なあり方だと体で分かっている人だった。
芥川の自死についても、生活することへの未熟な認識と頭でっかちな人生を批判する。
総じて骨太の、大地に根付いた腹のすわった詩風である。私にはこれくらいしか言えない。
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