漫画家まどの一哉ブログ
「新・東海道五十三次」 武田泰淳
読書
「新・東海道五十三次」武田泰淳 著
1969年、百合子の運転する日産ブルーバードを駆って、なんども行ったり来たりしながら品川から琵琶湖一周まで完遂した東海道ドライブ小説。作者は小説と銘打っているが、すべて実体験の名所旅行記。
泰淳・百合子はなにを読んでもおもしろい。日数をかけているとはいえ、当時の車(2代目 410型系ブルーバード)でこの距離はかなりの強行軍だ。運転する百合子は相当疲れたと思う。開通したばかりの東名高速も今よりは空いていたかもしれないが、一般道でのMAPとのにらめっこや駐車場さがしなど、その苦労がしのばれる。
寺に生まれた泰淳が各地の仏閣に興味があるのは当然としても、その他神社や名所旧跡、自動車工場なども物見遊山気分でどんどん見学。大気汚染など公害状況にさしたる批判的意見を差し挟むでもなく、のんきな髪結いの亭主的な役どころに終始している。
もちろん泰淳の筆は読んでいて心地のいいものだが、やはりこの旅行記は百合子がいるから面白いので、世間とのあけすけな関わり合いは百合子ならではの持ち味であろう。
自分も東京・大阪間を4~5回走ったことがあるが、疲れた夕刻など意識が朦朧とした。自分の出身と体験から、伊賀上野・伊勢神宮・三井寺・石山寺など興味深く読んだ。
「新・東海道五十三次」武田泰淳 著
1969年、百合子の運転する日産ブルーバードを駆って、なんども行ったり来たりしながら品川から琵琶湖一周まで完遂した東海道ドライブ小説。作者は小説と銘打っているが、すべて実体験の名所旅行記。
泰淳・百合子はなにを読んでもおもしろい。日数をかけているとはいえ、当時の車(2代目 410型系ブルーバード)でこの距離はかなりの強行軍だ。運転する百合子は相当疲れたと思う。開通したばかりの東名高速も今よりは空いていたかもしれないが、一般道でのMAPとのにらめっこや駐車場さがしなど、その苦労がしのばれる。
寺に生まれた泰淳が各地の仏閣に興味があるのは当然としても、その他神社や名所旧跡、自動車工場なども物見遊山気分でどんどん見学。大気汚染など公害状況にさしたる批判的意見を差し挟むでもなく、のんきな髪結いの亭主的な役どころに終始している。
もちろん泰淳の筆は読んでいて心地のいいものだが、やはりこの旅行記は百合子がいるから面白いので、世間とのあけすけな関わり合いは百合子ならではの持ち味であろう。
自分も東京・大阪間を4~5回走ったことがあるが、疲れた夕刻など意識が朦朧とした。自分の出身と体験から、伊賀上野・伊勢神宮・三井寺・石山寺など興味深く読んだ。
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