漫画家まどの一哉ブログ
「天皇陛下にささぐる言葉」 坂口安吾
読書
「天皇陛下にささぐる言葉」
坂口安吾 著
「天皇陛下にささぐる言葉」「堕落論」「天皇小論」「もう軍備はいらない」
安吾の随筆四編をまとめたブックレット。
戦後1946年から始まり1954年まで行われた昭和天皇の国内行幸。石もて追われるかと危惧されたが、各地で国民の熱狂的歓迎をうける。この有り様を見て安吾の落胆・危惧は当然である。徹底した皇民化教育の恐ろしさよ。国中焼け野原にされて原爆まで落とされたにもかかわらず、軍部に騙されたとは考えても、天皇の神格化まではまるで相対化できない民衆のあほらしさ。
安吾の言うほんの少し敬意を払われるくらいの皇室との接し方(往来で出会ったら会釈するくらい)は、ちょうど北欧での王室への態度と似通ったものくらいかしら。いずれにせよ安吾の嘆いた時代から現在まで日本人はそんなに進化していないようだ。皮肉なことに最近は現政権より皇室の方が民主的だが、安吾の危惧が杞憂に終わらないことを祈る。
戦争は天災ではないのだから、軍備を厚くすることしか国を守る手立てがないなんてことはないのは、まったく安吾の言うとおりで、まさにこれも今日的という以上に現在差し迫った問題だ。生活自体を豊かなものにすれば、どこかに攻め込んでくる凶悪犯罪者がいるといった脅し文句も怖くはないのだ。
こんなにも安吾の警告がそのまま生きてくる時代が来ようとは、なんとも嘆かわしい事態だが、いずれにせよもう一度安吾の自由独立の精神を噛みしめてみる必要があります。
「天皇陛下にささぐる言葉」
坂口安吾 著
「天皇陛下にささぐる言葉」「堕落論」「天皇小論」「もう軍備はいらない」
安吾の随筆四編をまとめたブックレット。
戦後1946年から始まり1954年まで行われた昭和天皇の国内行幸。石もて追われるかと危惧されたが、各地で国民の熱狂的歓迎をうける。この有り様を見て安吾の落胆・危惧は当然である。徹底した皇民化教育の恐ろしさよ。国中焼け野原にされて原爆まで落とされたにもかかわらず、軍部に騙されたとは考えても、天皇の神格化まではまるで相対化できない民衆のあほらしさ。
安吾の言うほんの少し敬意を払われるくらいの皇室との接し方(往来で出会ったら会釈するくらい)は、ちょうど北欧での王室への態度と似通ったものくらいかしら。いずれにせよ安吾の嘆いた時代から現在まで日本人はそんなに進化していないようだ。皮肉なことに最近は現政権より皇室の方が民主的だが、安吾の危惧が杞憂に終わらないことを祈る。
戦争は天災ではないのだから、軍備を厚くすることしか国を守る手立てがないなんてことはないのは、まったく安吾の言うとおりで、まさにこれも今日的という以上に現在差し迫った問題だ。生活自体を豊かなものにすれば、どこかに攻め込んでくる凶悪犯罪者がいるといった脅し文句も怖くはないのだ。
こんなにも安吾の警告がそのまま生きてくる時代が来ようとは、なんとも嘆かわしい事態だが、いずれにせよもう一度安吾の自由独立の精神を噛みしめてみる必要があります。
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