漫画家まどの一哉ブログ
「不死」 プラトーノフ
読書
「不死」プラトーノフ 作
近年再評価の高いプラトーノフの初期短編集。
若書きの魅力たっぷりな作品集。新国家建設に邁進するソビエトとともに、未来を信じ希望に燃えている。なにより今後世界を切り開いて行く科学技術への信奉があって、SF的な内容を含む。
たとえば「不可能なもの」では生命は地球外からやってきた説(この場合彗星ではなく太陽だが…)。また宇宙は多数存在する説が取り上げられている。
「Anti-Sexus(アンチ・セクスス)」は実際の性交渉の代わりをしてくれる商品の開発が、社会の無駄を省き国家の発展に寄与するという風刺小説。
解説によると当時ロシア宇宙主義という、今考えればやや荒唐無稽な不思議な科学信奉があったようで、それがトルストイを含めかなりの文化人上層部に影響していたらしい。
そんなわけでこの作品集は、のちに「ジャン」や「土台穴」など中央アジアを彷徨う話を多く書いた作家とは違った趣であり、ソビエト社会の手さぐり感や行きづまり感もまだ出てこない。
表題作「不死」はまさに不死と言われるほど働きづめの機関車操車場長の朝夕を描いたすなおに小説らしい小説。
「不死」プラトーノフ 作
近年再評価の高いプラトーノフの初期短編集。
若書きの魅力たっぷりな作品集。新国家建設に邁進するソビエトとともに、未来を信じ希望に燃えている。なにより今後世界を切り開いて行く科学技術への信奉があって、SF的な内容を含む。
たとえば「不可能なもの」では生命は地球外からやってきた説(この場合彗星ではなく太陽だが…)。また宇宙は多数存在する説が取り上げられている。
「Anti-Sexus(アンチ・セクスス)」は実際の性交渉の代わりをしてくれる商品の開発が、社会の無駄を省き国家の発展に寄与するという風刺小説。
解説によると当時ロシア宇宙主義という、今考えればやや荒唐無稽な不思議な科学信奉があったようで、それがトルストイを含めかなりの文化人上層部に影響していたらしい。
そんなわけでこの作品集は、のちに「ジャン」や「土台穴」など中央アジアを彷徨う話を多く書いた作家とは違った趣であり、ソビエト社会の手さぐり感や行きづまり感もまだ出てこない。
表題作「不死」はまさに不死と言われるほど働きづめの機関車操車場長の朝夕を描いたすなおに小説らしい小説。
PR
COMMENT