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「初恋」 トゥルゲーネフ

「初恋」
トゥルゲーネフ 作
(光文社古典新訳文庫・沼野恭子 訳)

少年が初めて恋に落ちた侯爵令嬢。思いを寄せる数人の男性が常に集まる中、彼女が選んだ意外な人物とは…。

16歳の少年にとって21歳の女性はかなり年上の大人に見えるかもしれない。実際彼女との間にほんとうの恋愛があったわけではなく、それだけならほのかな初恋話として微笑ましく終わったであろう。ところがおとなしい少年に対して彼女は男性陣を相手に臆するところのない元気で溌剌とした女性。加えてダンディな彼の父親、下品な彼女の母親などクセのある人物の登場で俄然劇的な物語となっている。

予想どおりトゥルゲーネフはドラマ作りの名手で、小説というジャンルを超えてこれぞ迫真のドラマだという読後感がある。話がおおいに動く。妙な言い方だが、エンターテイメントのツボをはずさない純文学といったところか。19世紀の西欧文学など皆そうかもしれないが、トゥルゲーネフの場合ストーリーを引っ張るキャラクターが自分の気に入るだけかもしれない。

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