漫画家まどの一哉ブログ
「種の起源(上)」 ダーウィン
「種の起源(上)」
ダーウィン 著
(光文社古典新訳文庫・渡辺政隆 訳)
進化論を切り開いた科学史上に燦然と輝く画期的名著。
この著作は学術書ではなく、誰にでも読める一般書として刊行されたものなので、確かに読みやすかった。ダーウィンが実際に栽培・観察した具体例が膨大なもので、事実に基づいた説明は丁寧で淡々としたもの。その全ては根幹となる「自然淘汰説」へ収斂していくので静かな感動がある。
それでもダーウィンの解説は押しつけがまさがなく、反論への用心のためか、かなり遠慮深い語り口だ。疑問点は疑問点のまま正直におそらくこうだろうという書き方。遺伝子が発見されていない時代の考察なのがかえって面白かった気がする。多くの生物間で影響を及ぼしあって環境が維持され、自然淘汰が行われる仕組みがよく解る。(下巻は後日)
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