漫画家まどの一哉ブログ
「世界はラテン語でできている」 ラテン語さん
「世界はラテン語でできている」
ラテン語さん 著
(SB新書)
古代ローマ発祥、ヨーロッパ言語の基礎を成したラテン語。現代でもけして死語ではなく、あらゆる文化に大いに生きている。
世界史・政治・宗教・科学・現代・日本といった6つの切り口で、実はラテン語由来のさまざまな言葉を紹介。そのこと自体はそうなのかと思うくらいで大きな驚きでもないが、それに伴う歴史上のエピソードが楽しい。
ラテン語以前にインド・ヨーロッパ祖語というものがあり、これは各言語の語形を元に推測されたもので、碑文や書物などで確認できていないそうだ。
世界史や政治ではカエサルやコロンブス、ポエニー戦争とファビウス、ファシスト党の話題が面白かった。宗教に関してはざっくりしたものだが、ルターまで登場して個人的には馴染める内容。科学の分野では世界的な共通語が必要なので、ニュートンやフェルマーの著作も必然的にラテン語で書かれている。生物の学名もそうだ。星々や星座、元素、人体、病気や薬、菌類など次々に元となったラテン語が紹介されていちばんスラスラと読めた。
現代でもファクシミリやデジタル、コンピューター、プロパガンダ、アドホック、エゴイスト、プロレタリアなどラテン語由来の言葉が様々。街中のビルや施設もよく見るとラテン語表記の名前があったりして油断できない。巻末にヤマザキマリ氏と著者の対談あり。
PR