漫画家まどの一哉ブログ
「三つの物語」 フローベール
読書
「三つの物語」フローベール 作
数少ないフローベールの短編を3つ集めて1冊としたもの。作家本人の企画。
細かい話はヌキにした物語小説の醍醐味が味わえる。
「素朴なひと」:一人の純朴な使用人女性の生涯が、短いエピソードの連続をもって語られる。それだけにどんどん進む物語小説の面白さがあるが、主人公女性の喜びや悲しみは充分に描かれていて心打つものがある。愛するものを次々と失っていく人生だ。短編ながらも一生を俯瞰してみる方法ならではの大きな感動がある。
「聖ジュリアン伝」:これぞ物語小説の面白さ。英雄となり聖人となることを予言されたジュリアン。天性の狩りの名手でありあらゆる動物を狩り尽くす恐ろしい若者が、やがて軍を率いる英雄となるも動物たちの精霊の復習を受けたか、殺人・零落の末、聖人として天に召されるまでの急展開に目が離せない。
「ヘロディアス」:有名なサロメの物語を下敷きにしているものの、ヨカナーンが首を落とされるところはなかなか出て来ず、ながながと民族・宗派の政治的拮抗が描かれる。そのあたりは複雑で読むのにやや苦労するが、登場人物のキャラクターがはっきりしていて通俗味がある。これは劇画の絵を想像して読むと良い。
「三つの物語」フローベール 作
数少ないフローベールの短編を3つ集めて1冊としたもの。作家本人の企画。
細かい話はヌキにした物語小説の醍醐味が味わえる。
「素朴なひと」:一人の純朴な使用人女性の生涯が、短いエピソードの連続をもって語られる。それだけにどんどん進む物語小説の面白さがあるが、主人公女性の喜びや悲しみは充分に描かれていて心打つものがある。愛するものを次々と失っていく人生だ。短編ながらも一生を俯瞰してみる方法ならではの大きな感動がある。
「聖ジュリアン伝」:これぞ物語小説の面白さ。英雄となり聖人となることを予言されたジュリアン。天性の狩りの名手でありあらゆる動物を狩り尽くす恐ろしい若者が、やがて軍を率いる英雄となるも動物たちの精霊の復習を受けたか、殺人・零落の末、聖人として天に召されるまでの急展開に目が離せない。
「ヘロディアス」:有名なサロメの物語を下敷きにしているものの、ヨカナーンが首を落とされるところはなかなか出て来ず、ながながと民族・宗派の政治的拮抗が描かれる。そのあたりは複雑で読むのにやや苦労するが、登場人物のキャラクターがはっきりしていて通俗味がある。これは劇画の絵を想像して読むと良い。
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