漫画家まどの一哉ブログ
「三文オペラ」 ブレヒト
読書
「三文オペラ」ブレヒト 作
警察に逮捕された主人公の悪党が囚われているのが鳥かごのような檻で、簡単に脱出できてしまう。これだけでこの作品全体が大きな冗談であることがわかる。でも舞台というものはたいがいそんな象徴で構成されているのかもしれない。
再び捕まった後すぐ死刑執行の準備に移るところもカリカチュアとしての筋立て。
警官含めて小悪人ばかり出てくるので、観客が登場人物に感情移入することがなく、やはりコントのような感覚だが、これもブレヒトの思惑であるらしい。盗賊のボスも乞食の手配師も商売人であり小悪党だが、彼らはブルジョアジー的なものを体現しているというニュアンスである。
多くの歌が挿入されているが、これはミュージカルのように人物の思いが感極まって思わず歌い出すといった演出ではなく、場面の区切り・切り替えの役割で歌われている。ここから歌ですというワンクッションがある。
訳者は実際の歌に合わせて日本語で歌えるようにかなり節約して歌詞を連ねているが、どうしても削りすぎていてあまりおもしろくない。逐語訳のほうを読むと楽しい。
あたりまえだが、舞台を見てこその面白さだと思う。
「三文オペラ」ブレヒト 作
警察に逮捕された主人公の悪党が囚われているのが鳥かごのような檻で、簡単に脱出できてしまう。これだけでこの作品全体が大きな冗談であることがわかる。でも舞台というものはたいがいそんな象徴で構成されているのかもしれない。
再び捕まった後すぐ死刑執行の準備に移るところもカリカチュアとしての筋立て。
警官含めて小悪人ばかり出てくるので、観客が登場人物に感情移入することがなく、やはりコントのような感覚だが、これもブレヒトの思惑であるらしい。盗賊のボスも乞食の手配師も商売人であり小悪党だが、彼らはブルジョアジー的なものを体現しているというニュアンスである。
多くの歌が挿入されているが、これはミュージカルのように人物の思いが感極まって思わず歌い出すといった演出ではなく、場面の区切り・切り替えの役割で歌われている。ここから歌ですというワンクッションがある。
訳者は実際の歌に合わせて日本語で歌えるようにかなり節約して歌詞を連ねているが、どうしても削りすぎていてあまりおもしろくない。逐語訳のほうを読むと楽しい。
あたりまえだが、舞台を見てこその面白さだと思う。
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