漫画家まどの一哉ブログ
「サロメ」 ワイルド
読書
「サロメ」ワイルド 作
数々の絵画作品で目にするサロメの物語。元ネタの新約聖書に関する知識はまったくないが、ビアズレーの挿絵で有名なオスカー・ワイルドの戯曲を読んでみた。話自体は聖書の逸話をふくらませてもいないのでかなり短く、起伏の少ない単線的な構成のまま、あっという間に終わってしまう。それでもおもしろかった。
父親である王様エロドがふつうの人間・普通の現世的な権力者として描かれているのにくらべ、娘サロメのほうは淫蕩で耽美的な雰囲気をただよわせているいかにも創作上の人物である。原典ではサロメは母親エロディアスのいいつけでヨハネ(ヨカナーン)の首を求めたようだが、ワイルド作ではサロメ自身がヨカナーンを気に入り、その首を求め口づけをするという、おどろおどろしい味付けとなっている。大人たちの政治的な思惑で動く無垢な娘ではなく、悪魔的でエロティックなヒロインとなっているところがこの劇作のおもしろさ。
「サロメ」ワイルド 作
数々の絵画作品で目にするサロメの物語。元ネタの新約聖書に関する知識はまったくないが、ビアズレーの挿絵で有名なオスカー・ワイルドの戯曲を読んでみた。話自体は聖書の逸話をふくらませてもいないのでかなり短く、起伏の少ない単線的な構成のまま、あっという間に終わってしまう。それでもおもしろかった。
父親である王様エロドがふつうの人間・普通の現世的な権力者として描かれているのにくらべ、娘サロメのほうは淫蕩で耽美的な雰囲気をただよわせているいかにも創作上の人物である。原典ではサロメは母親エロディアスのいいつけでヨハネ(ヨカナーン)の首を求めたようだが、ワイルド作ではサロメ自身がヨカナーンを気に入り、その首を求め口づけをするという、おどろおどろしい味付けとなっている。大人たちの政治的な思惑で動く無垢な娘ではなく、悪魔的でエロティックなヒロインとなっているところがこの劇作のおもしろさ。
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