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漫画家まどの一哉ブログ

   
つげ義春ミニ原画展その他

 

中野タコシェで西野空男氏たちと合流してみると、なんと「架空」最新号にとある問題箇所が発生しており、詫び状を挟み込んで記事文にシールを貼るという作業を手伝ったのだった。そんなこともあり、なんとなく落ち着かないカンジで渋谷へ移動し、「万力のある家」で開催されている「つげ義春ミニ原画展」イベント:小林坩堝×高野慎三対談へ遅れて参加した。

 

気鋭の若手詩人である小林坩堝が、つげの名作「海辺の叙景」を題材に、吉行淳之介の小説作品との共通点をさぐるといった内容。「海辺の叙景」はつげ作品の中でも第一に人気のある作品だが、実は自分は一番苦手な作品である。また吉行淳之介の小説世界もけっして馴染めるものではない。

 

坩堝さんはつげの表現が風景を大きく描き、人物は点景であること。風景の中に人物が埋没する描き方で、より男女の情交を表現していることなどが、吉行の小説作品にもみられるところなどを発見した。ここらあたりが坩堝さんの好みなのであろう。こういったところが「海辺の叙景」が多くのファンを集める理由なのか高野さんに問いただすと、それは違っていて単に恋愛漫画だからだということだった。

 

つげ義春のカラーイラストや漫画のエスキースが展示されていたが、「架空」の件で、自分までなにやら慌てた気分で見ていた。(25日は休み、29日まで。http://manriki.sanpal.co.jp/)

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