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漫画家まどの一哉ブログ

   
「赤い橋の殺人」 バルバラ

読書
「赤い橋の殺人」 バルバラ
 作


150年間忘れ去られていた作家シャルル・バルバラの代表作。
貧窮にあえいでいたクレマンとロザリの夫婦。クレマンは実は無神論者なのだがそれを隠したまま、教会の世話で仕事を引き受け、以来急速に裕福になる。だが二人の精神生活はまるで落ちつきがなく、つねになにかにおびえている様子。それはかつて雇われていた証券仲買人の死が原因していた。彼の犯した犯罪とは?


ミステリー小説の嚆矢とも称される作品で、犯罪の実態が明らかになってゆくところは確かに面白いが、謎解き自体を目的とした作品ではないので、ミステリーの構造はいたって単純・ストレートである。むしろ完全犯罪をなしとげた男が、余裕綽々かと思いきや良心の叫びに打ちふるえる毎日をおくっているところがおそろしい。神を否定する無宗教の男にしてそうなのである。もとより共犯者の妻は精神が疲弊し、身体自体は健康体なのに日々衰弱していく。おまけに生まれた子供が自分達が殺した相手にそっくりであるという恐怖。男の哲学的煩悶が読み応えのある小説になっている。追われるように善行を積むが心の安寧は得られないのだ。

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