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漫画家まどの一哉ブログ

   
「愛の妖精」 ジョルジュ・サンド

「愛の妖精」
ジョルジュ・サンド 作
(岩波文庫・宮崎嶺雄 訳)

19世紀半ば、フランスの農村。仲の良い双子の兄弟と悪魔の如く嫌われる極貧の少女。みずみずしい彼らの交流と成長を描いた青春小説の白眉。

実際双子と言っても成長するにつれ少しは違ってくるもので、兄はひ弱で弟は頑健。性格的にも兄は未熟で嫉妬深く、弟は素直で誠実。この兄がいつまでたっても弟を離さず独り占めにしようとしている実に困ったやつで、弟と彼女の愛が成就しても最後の最後まで彼の問題が残る。しかしここがドラマの組立のおもしろさ。

もともとお転婆で、村人からは悪魔の如く蔑視されていた少女ファデット。本当は愛に溢れた賢い彼女が、はたして幸せになれるか心配でハラハラしながら読んだ。素直で清冽な10代の少年少女たちの細やかな心の動きを、わかりやすい表現で描いていて快感を得た。昭和34年の訳文だが充分に現代的で驚いた。

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