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「偶然の統計学」 デイヴィット・J・ハンド
読書
「偶然の統計学」 デイヴィット・J・ハンド 著

絶対にあり得ないと思えるような奇跡的な偶然の出来事。これが実は人間の思い込みによる錯覚で、統計学的には案外あり得る確率であることを解説。そして様々な勘違い・思い込みの罠を分類してゆく。この種の偶然と確率について数学の素人にも解りやすく書いたものはいくつか読んだが、これはおもしろかった。

大数の法則ならぬ「超大数の法則」によれば、膨大な実例の中ではめったに起らない偶然も必ず起きる。なるほど「運」について考えれば、正規分布という言葉を知らなくてもあの山なりのグラフを思い浮かべて、中央の盛り上がったところが最も平凡な可もなく不可もない状態だとすれば、両極端に最高に運のいい人と悪い人がいる。これら極端な例は話題になるので目立つが、多くの人は平均的な事例を体験しているだけなのだ。これは「運」について自分がかねがね感じていたもの。それほど人類の数は多く、「超大数の法則」が発生している。

また「選択の法則」というものがあって、ことが起った後からならどうとでも理由付けできるということで、その際そうならなかった多くの実例を省くことができる。また実は普段から気付かないだけでよくあることを無視する。神秘的な偶然も、あたかも「運命」だったかのように事後に選択的に糸をつないで納得してしまう。運命論の正体は事後選択である。

「近いは同じ」の法則は、神秘的な偶然の一致といっても、一致の範囲が任意に広くとられていて、それくらいなら普通にあってもおかしくないものを珍しいことにしてしまう。ユングのシンクロニシティには多くこの種の実例がある。このユングや「偶然の本質」で有名なアーサー・ケストラー等のESP実験を遠慮なくニセ科学よばわりしていておもしろかった。

(年に6回以上事故が起った交差点に監視カメラを設置すると、翌年には事故は6回以下になった。ESP実験で優秀な結果を残した者を集めて、さらに実験すると2回目以降は数値が下がった。これらは実は6ばかり出たサイコロを集めて降ると、2回目は平均値が6以下になるのがあたりまえというのと同じで、最初に大きな数値を揃えれば必ずそうなる。これも「選択の法則」の一種。ナルホド!)

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