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「死刑について私たちが知っておくべきこと」 丸山泰弘

「死刑について私たちが知っておくべきこと」
丸山泰弘 著
(ちくまプリマー新書)

賛成・反対を語る前に、あまり知られていない日本の死刑制度の実態と、議論の問題点を提議する。刑法学からの視点。

殺人事件の44.7%が親族間、39.7%が知人間で行われており、理不尽な無辜の被害者は少ないという現実を知る。無辜の被害者が極刑を望むはずだとという世間の思い込みが実際とずれており、逆に被害者を追い込む。しかしこれでは犯罪被害者等給付金制度が親族間で起きた事件には適用されないのはやはり問題だなと思う。

もとより被害者の応報感情を極刑の理由にすることは、個人的には以前から刑法の範囲とは違うだろうという違和感があった。刑法はあくまで被告人を警察・検察からの人権侵害から守るためのもの。誰からも愛されている人を殺害した場合と、誰からも嫌われている人を殺害した場合で刑罰が違ってしまってはおかしいという例がわかりやすい。

その他、30年以下で行われることのない仮釈放の実態や、絞首刑の残酷度。処刑存廃アンケートが5件法でないことの不公正などが解説される。
私個人は仮に極めて民主的な政権が成立したとしても、公権力が死刑執行の権限を持っていること自体が問題で、恣意的な適用がなされないとは限らない。その意味で死刑制度には反対である。

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