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「オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家」ゾラ傑作短編集
読書
「オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家」ゾラ傑作短編集
エミール・ゾラ
 作

世界名作文学全集に必ず入っているゾラ。そのせいか古風なイメージを持っていたが、まったく違って時代性を感じさせないものだった。しかもぞんぶんにエンターテイメント性があって、オーソドックスながらもワクワクとした。観念的だったり耽美的だったりせず、社会派で通俗的な読みやすさがあるが、下品なところは全くないという自分好みの作風。

「ナンタス」
では、主人公のナンタスがとある令嬢の子どもをあえて認知する役割をひきうけ、そこから大いに出世する物語。その話のムダのなさ、クライマックスに至る急展開など、手塚治虫作品のようにサクサクと進む。功成り名を遂げたナンタスが令嬢の前に跪き、実はあなたを愛していると大泣きするシーンなどは、まさに60年代の手塚の絵が思い浮かんだ。

「スルディス婦人」
は自身も画家でありながら、才能ある画家の夫を世に売り出すため献身する女性の話。夫は天才的な作風を持つが、生活は淫らでだらしがなく、一度評判を取っただけでなかなか仕事をしない。そんなダンナを咎めることなく、納期に追われてしだいに夫の作品に自ら手を入れるようになる。そしてとうとう夫のゴースト画家になってしまうが、あくまで夫の出世が自身の画家としての成功なのだ。この屈折した夫婦。こんな女をよく書けるもんだよ。

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