漫画家まどの一哉ブログ
「夢のなかの夢」 タブッキ
読書
「夢のなかの夢」 タブッキ 作
「夢のなかの夢」 タブッキ 作
ラブレー、スティーブンソン、チェーホフ、ドビュッシーなど偉大なる天才達は夜こんな夢を見ていたかも…。という設定で書かれた連作掌編集。
シュルレアリスムではなく夢日記とも違う。誰それは夢を見たで始まり、目が覚めたところで終わる。夢オチと言ってしまえば言えなくもないが、実にうまく出来ていて楽しい。
スティーブンソンは南海の島で山に登り、チェーホフはサハリン島で人間観察、ランボーは切断された自分の片足を抱え、ロートレックは背丈を自在に伸び縮みさせる。タブッキ自身がふだんから敬愛していた芸術家達、個々のエピソードをうまく織り込んで飽きさせないものとなっております。
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