漫画家まどの一哉ブログ
自分はいつも菅野さんの「筋子」シリーズを最初に読むのだが、いつもにもましてすごい絵だ。なんでこんな絵で漫画が描けるのか?菅野さんがゲロ吐いた渋谷駅がぶっ壊れとるやないの。一貫して死と破滅のニオイが漂うこの世界は作者の年齢あってこそ描けるものと自分は思う。
新人賞の佳作「ユングフラウヨッホ」は絵も話もとってもいいですね。いや、漫画にとって絵と話はやはり一体となっているものですね。
奨励賞の「暖かい日陰に」も面白く読みましたが、絵がジミなのはいいとしても今後絵の魅力が増す事を期待します。ガロ派の表現はおとなしいが、やはり見せコマは存在するものですから。
新人作品のあとに本さんや河井さんの作品を読むとやはり作りにムダがないのを感じた。『モリミテ」が新展開だった。「茶番なカッパ」たちはなんとも可愛らしい。
「マガジンNo.1」
ほとんど炭子部山さんの漫画で埋められているが、自分はこの人のファンなのでどれを読んでもおもしろい。絵がやや乱暴だからメジャーには向かないのかもしれないが、画質に味わいがあって、ネタも愉快愉快。
久しぶりに斎藤種魚さんの漫画を読んで満足。これはずいぶん前に描かれたもののはずだが、コシヒカリものはやっぱり面白い。甲野酉さんの作品もずいぶん前に描かれたものだとおもうが、おなじみの男と女の世界だ。半私漫画だ。甲野酉さんは別冊の「イオリの場合」という中編もあって、現実に対して容赦のない世界がある。
香山哲も相変わらずツメコミすぎだが、ネタはおもしろい。
そんな友人以外の作品でも独自の絵を持つ作家ばかりで、おおいに気に入りました。
「うさぎのヨシオ」
この近藤聡乃さんの4コマ漫画が面白くて、毎日ちょっとづつ楽しんでおります。