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漫画家まどの一哉ブログ

   
「素戔嗚尊」
読書(mixi過去日記より)
「素戔嗚尊」(すさのおのみこと)
芥川龍之介
 作

ちくま文庫の芥川龍之介全集を、ゆっくり順番に読んでいて、第3巻を読み終わった。
もちろん再読もある。
「南京の基督」「きりしとほろ上人伝」など有名なキリシタンものが多いなか、やや中編の「素戔嗚尊」がおもしろかった。続編の「老いたる素戔嗚尊」のほうが有名かもしれないが、主人公が若い頃のはなしもなかなか。

高天原の国で並ぶものない強力を誇る素戔嗚尊。またその心根は純朴かつ一本気だが、かえって彼を慕う人は少なかった。思兼尊(おもいかねのみこと)の姪に心寄せる素戔嗚尊は、仲を取り持つ約束の男に騙され、暴力沙汰を起こしてしまう。その事件が国を二分する騒動に発展した結果、彼は国を追われ放浪の身となってしまった。
やがて森の中の洞窟に住む大気都姫(おおけつひめ)と出会い、その姉妹達とも暮らし始めたが、それは実は畜生道への堕落だった。悪夢的な精神性…。
挫折の果て、森を離れ、海や山を越えて悲しみの旅を続ける素戔嗚尊。ようやく出雲の国へと流れ着いた彼は、さびしい大岩の上に一人の少女を見つける。聞けば彼女、櫛名田姫(くしなだひめ)は、巫女の占いにより、八つの頭を持つ大蛇のいけにえとされる運命。それを聞いた素戔嗚尊は喜んで、大蛇に立ち向かうことを決意するのだった。


それも自身の性格の故なのだけれど、抗えない運命に弄ばれながら、放浪する素戔嗚尊の心象風景が胸を打つ。野性的で暴力的になったかと思えば、大自然の中で恬淡な境地を得たり。だが通底するのは孤独感と悲しみだった。
さて、素戔嗚尊と八岐大蛇の決戦はいかに。芥川は意外なところで物語を終わらせてしまいます。ええっ、ここで終わり?!でもそれが芥川。
それにしても、やっぱ基本だね!造形的な作風が自分にぴったり。オモロいなあ。

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