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「目まいのする散歩」武田泰淳

読書
「目まいのする散歩」 武田泰淳 作


著者晩年の作品。病を患う身ゆえに奥さんと二人でする散歩の日々を綴る8篇の小品から成るエッセイ。野間文芸賞の名作ということだが、これをしも小説と呼ぶことは自分には抵抗がある。エッセイと言えばよいではないか。評価する側が日常から飛躍する力がないのではないか。と、ひとこと言いたくなるが、中身はとってもおもしろい。とは言ってもこれは奥さんの武田百合子の行動が、この作品のおもしろさの7割くらいを締めている気がする。


当時二人は東京赤坂に住んでいて、百合子の運転する車(ブルーバード)でわざわざ明治神宮や代々木公園まで出かけて散歩するのである。都心の暮らしは便利なものだ。それでも同じ現代社会とは言え、今この時代の作品を読むと、デジタル革命以前の暮らしがなんだかのんびりする。代々木公園の売店で百合子が買うアーモンドポッキーを「チョコレートを塗ったごく細い棒状のメリケン粉焼き」と表現しているのがおかしい。


「笑い男の散歩」:「うすらバカ」「うすらトンカチ」などという悪口は、悪口ではなくて、わけへだてなく、われわれ人類の上に与えられた神様の批評のように思われてくる、というのが名言だ。


「鬼姫の散歩」:この鬼姫とはテレビアニメ「サスケ」に登場する少女忍者だが、泰淳夫婦が「サスケ」を見て楽しんでいたことは意外で愉快。


作品には若いときの散歩や、ロシアでの散歩も登場します。

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