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「意識の脳科学」 渡辺正峰

「意識の脳科学」
渡辺正峰 著
(講談社現代新書)

脳内データをコンピューターに移すことによって意識を移動。はたしてデジタル不老不死は可能なのか?

たとえば脳内データをそっくり機械にコピーして、その機械にわたしと同じ意識が宿ったとしても、わたしの意識が連続していなければ、それはわたしではない。機械が残っても一度分断されてしまった時点で、このわたしは死と共に消滅する。意識はわたし本人が感じることでしか証明できない。

さて、本書では意識の機能主義を原則とするので、同じ機能があれば必ず意識が宿るものとされる。脳手術などで左右の脳を分離した場合、右脳の視覚情報と左脳の視覚情報は分断されてしまって意識は2つに別れている。ところが健常な脳でも視覚に関しては左右それぞれに意識が宿っていてこれを共有しているのだ。ここを利用して思考実験が進む。

まず片側の生体脳半球を片側だけの機械脳半球と接合(方法の詳述は省略)。またもう片方の脳半球も同じようにして、それぞれつながった脳内で意識が統合される。この状態で機械脳に記憶情報をコピー。わたしの意識は途絶えることなく連続している。機械脳半球で見えている視覚情報が生体脳半球でも確認できるのであればその逆もあり、機械脳半球にもわたしの意識は宿っているのだ。

このあと左右の機械脳と機械脳を接合して、ついに生体を離れた機械のわたしが完成したわけである。やがて生体消滅後もわたしは生き残るわけだが、肉体は無く機械の中にいて歩くことも食べることもない人生のなんと虚しいことだろうか。
(言うまでもなくこの読書日記は神経科学やプログラミングの知識のない私が判る範囲でざっくり書かれています。)

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