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「生物はなぜ死ぬのか」 小林武彦

「生物はなぜ死ぬのか」
小林武彦 著
(講談社現代新書)

我々人間を含む生物が死ななければならない理由を、全生物の系統図からDNAのシステムまで使って解説。老化の仕組みと次世代へのパスとしての死を考える。

地球に生物が誕生する話から始まって多細胞生物の出現まで、知っているようで精密には知らない、おなじみDNAとRNAのシステムが解説される。そして地球生物史上5回あった大量絶滅の理由。現在が人間による最大絶滅の危機であること、多様性の重要さが説かれる。

生物はどうやって死ぬのか。寿命で死ぬ、生殖して死ぬ、食べられて死ぬ。そして人間は老化して病気で死ぬわけであるが、加齢によるガン・心疾患・脳血管疾患など細胞が老化して体が衰えるわけだ。この老化した細胞がそのまま残り続けると臓器の機能を低下させてしまうのだ。

なぜ細胞が老化しなければならないか。細胞は活性酸素による劣化とガン化が進まざるを得ない。この細胞異常を事前に察知し、新しい細胞と入れ替えて体を守るために老化はあるのである。そしてその細胞入れ替えも年齢により限界があり、そのあとは病気との戦いが始まるのだった。

さて最終章でテーマに。多くの生き物は飢えるか食べられて死んでいくが、子孫が残るのであればなんの問題もない。人間は多くの感情をもっているので死を恐れ悲しむのも仕方がないが、生物的には死はまぬがれない。死は生物の連続性を維持するための原動力であり、次の世代のために死ななければならないのだ。

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