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漫画家まどの一哉ブログ

   
「モーパン嬢」

読書
「モーパン嬢」 
テオフィル・ゴーチェ 作


詩人ダルベールは理想の女性を追い求めてやまない青年だ。女性に対する美学には大変厳しいものがある。ロゼッタは完璧には理想の女性ではないが充分魅力的な女性で、彼らは付き合ってはいたが、本心では愛し合ってはいないことがだんだんと明らかになってきた。そんな時に現れた騎士テオドール。彼はロゼッタがずっと心慕っていた永遠の恋人であり、ダルベールにとっては男ながら虜にされる程の魅力的な紳士だった。それもそのはず騎士テオドールとは、実は男勝りの令嬢マドレーヌ・ド・モーパンその人なのである。しかも連れている小性すらが男装の少女なのだ。この摩訶不思議な恋愛模様の結末やいかに!


というわけで、ほんとうは恋愛ものはさしたる興味もないのだけど、展開が面白くて読んでしまった。ふつうの地の文もあるが、手紙の形式で書かれた章や、セリフで綴られた章など、手を替え品を替えの工夫満載だ。主人公のモーパン嬢が男に変装しているので、バレやしないかとこちらはドキドキする仕掛けになっているのだ。


この時代(19世紀フランス)に男性的な気質を持つ女性を登場させたゴーチェの人間観が鋭い。女同士のキスや触れあいなどのからみもあるが、結局モーパンはダルベールに身体(処女)を捧げ、ベッドシーンの描写もちゃんとある。

実はこの小説、長過ぎる序文がくっついていて、そのなかでゴーチェは昨今の文芸評論家の道徳家主義を猛批判している。小説や芝居には強姦も殺人もあってあたりまえで、説教臭いこと言うな。といった論旨。そんなわけでこの作品もしっかり性愛を描いているのです。でもあんまり売れなかったそうです。とほほです。


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