漫画家まどの一哉ブログ
「脳内麻薬」中野信子
読書
「脳内麻薬」 中野信子 著
サブタイトルは「人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体」。一般的にも有名になったドーパミンだが、生温く考えていてはいけないスゴイやつのようだ。人生に喜びを与え目的に向かって突き動かすとともに、逃れられない依存・中毒をも引き起こす。われわれはどうやらこの報酬系の脳内物質にあやつられて生きているらしい。動物にとってドーパミンが脳内に放出されて感じる快感はなにものにも勝るようで、実験ではマウスは食欲よりも性欲よりも、ドーパミンのご褒美を選んだのだから。
以前仕事で薬物対策のマンガを描いたとき、覚醒剤は脳を変えてしまうので自分の力ではどうにもならないと資料から読んだのだが、なるほど性欲や食欲にも打ち勝つほどの快楽ならば、自身ではどうにもできないわけだ。
ところで昔、「快楽物質エンドルフィン」という本があったが、エンドルフィンも鎮痛作用のある脳内麻薬様物質オピオイドの一種で、ランナーズハイの要因であるらしい。そうだったのか。
本書では薬物ばかりでなく依存症全般に付いてひとつづつ解説してあるが、ドーパミンは他人から承認されることなどの社会的報酬に対しても放出されるらしいから、人生は依存の罠でいっぱいだよ。
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