漫画家まどの一哉ブログ
「第三の魔弾」 レオ・ペルッツ
読書
「第三の魔弾」 レオ・ペルッツ 作
「第三の魔弾」 レオ・ペルッツ 作
新大陸を蹂躙しようとするスペイン人コルテス。祖国を追われる身となったドイツ人伯爵グルムバッハ達は、少数ながらもインディオに味方し、インディオの財宝がローマへ渡るのを阻止するべく活躍する。ところがまんまと手にした一丁の銃には三つの呪いがかけられていた。
幻想歴史小説というジャンルの冒険小説。主人公グルムバッハは戦禍によって潰れた顔の半分を帽子を深くかぶって隠している隻眼屈強の男。敵役には卑劣な軟派美男子メンドーサ侯爵。天然の美貌を誇る野生の美少女ダリラなどエンターテイメントのキャラクター設定も怠りなく冒険は展開する。
主人公グルムバッハは悪魔と契約を結んでいる。そして縛り首となった人物によって呪いをかけられた銃。その一発目、二発目。はたして三発目は?
リアルな戦闘の物語の中に夢幻的な展開が混ざり込んいるという面白さ。
これが純粋な幻想小説として、呪いの銃弾のみを扱った短編であっても充分面白いものとなったであろう。幻想味は全体の3割くらいだが違和感なく楽しめた。
PR
COMMENT