漫画家まどの一哉ブログ
「優しい暴力の時代」 チョン・イヒョン
「優しい暴力の時代」
チョン・イヒョン 作
(河出文庫・斎藤真理子 訳)
今まさに都市で学び、働き、子供を育てる若き世代に連鎖的に押し寄せる静かな困難。この優しい暴力を大胆な筆致で書いて感動を呼ぶ現代韓国文学短編集。
私が読んだ韓国文学は10冊に満たないが、いずれもハズレなしだ。
現代都市生活者の夫婦や子育て、近所との付き合い、などなどの悩みは当然日本文学でも多く描かれているだろうが、作者チョン・イヒョンはとくに思い切りが良いというか、バサバサとことが進み、もどかしさがない。
主人公の女性たちもあまり内面でイジイジと行ったり来たりしていることが少なく、開き直っていてサッパリしている。日本ほど男性社会ではないのだろうか。頑然たる格差社会の中で教育や住まいで一歩でも上を目指す涙ぐましい努力と壁。常に社会的視野がしっかりしているせいか、ストーリーに捕まると離れられない。
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