漫画家まどの一哉ブログ
「バーナビー・ラッジ」下 ディケンズ
「バーナビー・ラッジ」下
ディケンズ 作
(中公文庫・小池滋 訳)
知的障害者青年ラッジを利用せんとする大人たち。プロテスタント暴動により大きく動くロンドン。そして22年前に起きた殺人事件の謎が明らかになる。
文庫巻末にエドガー・アラン・ポーによる書評が掲載されていてて参考になる。たしかに推理ドラマとしての緊張と謎解きが、史実でもある大暴動の大きなボリュームのおかげで霞んでしまった印象だ。この間、善人は影を潜め悪人同士の鍔迫り合いが続く。哀れ障害者青年ラッジは暴動の旗振り役にされて、本人は英雄気取りだ。
たしかに可哀想な若き善人たちはキャラクターとしてはつまらない。その点悪人たちはタフで暴力的なやつ、卑怯卑劣なやつ、盲目でありながら悪事を取り持つやつ等々魅力的で、話を引っ張って行く。ラッジ青年も喋る烏(九官鳥?)とペアなので愉快だ。登場人物全員の運命を最後まで書くので長大になる。やはり大暴動の顛末と、殺人事件の謎解きを混ぜないほうがよかった。
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