漫画家まどの一哉ブログ
「ぼっちのアリは死ぬ」 古藤日子
「ぼっちのアリは死ぬ」
古藤日子 著
(ちくま新書)
社会的な孤立が私たちの健康にマイナスの影響を及ぼす。孤立したアリが早く死ぬはなぜか。社会性昆虫アリを遺伝子レベルまで研究、その謎に迫る。
アリと人間の社会は大きく異なっており、簡単に関連があるとは言えないまでも、実際孤独なアリが早く死ぬ以上なんらかのヒントがあるのではないか。と期待するが、著者はさすがに急いで結論付ける気配はなく、地道に細胞から遺伝子まで丁寧に繙いてゆく。
やがて活性酸素と酸化ストレスにたどり着くと、我々シロウトはやっぱりそれかと!膝を打つ思い。実験ではコロニーの中で役割を負っていた労働アリを仲間から引き離して孤立した状態に置く。かわいそうに女王アリもいない巣の内外で彼(彼女)はなにをすればよいのか。
生理機能が変わってから行動が変化すると思いがちだが、意外にも孤立したアリが巣のまわりの壁に滞在するようになると、酸化ストレスが強くなる。すみっこ行動が活性酸素を増やし短寿命へと導く。すみっこに留まる行動自体がさらに負の効果をもたらすのだ。これは不思議と言えば不思議な気がするがアリの現実なようだ。
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