漫画家まどの一哉ブログ
「花実のない森」
映画(mixi過去日記)
「花実のない森」 1965年
監督:富本壮吉
原作:松本清張
出演:若尾文子・園井啓介・田村高廣・江波杏子・船越英二
一介の車のセールスマン梅木(園井啓介)は、ある偶然から江藤みゆき(若尾文子)と出会い、その魅力の虜となってしまう。みゆきは山口県に車椅子の夫を持ちながら、東京で奔放に遊び回る謎の女。みゆきの兄元華族の楠尾(田村高廣 )は、そんなみゆきを手放そうとしない。みゆきの正体を探るため、梅木は恋人の節子(江波杏子)を楠尾家に家政婦として侵入させる。やがて次々と起る殺人事件。梅木が山口県のみゆきの家で出会った車椅子の夫の意外な正体とは?
松本清張は昔「点と線」を読んだとき、文体に鑑賞する部分がまるでなく、その新聞記事を読んでいるような読みやすさに驚いて、以来二度と読まないが、これがストーリーテラーというものか。この映画も事実がサクサクと進み、飽きさせないが、粘度は低い。それよりこの時代の日本映画の感触を味わいたくて観た。情報が少なくて、画面が分かりやすいね。
若尾文子は確かに美人だが、やや優等生的か?園井啓介という俳優は、目の小さな二枚目で庶民からの離脱感がない。その点江波杏子はたんなる若い恋人役にしては、妖し過ぎる!
ケータイもPCもない時代のミステリーを見ると、手塚治虫の大人モノを思い出すよ。やっぱみんな青春を投げ捨てて、大人モノを楽しもうよ。
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