漫画家まどの一哉ブログ
漫画を読む能力は生まれつき
大学で教鞭をとるようなインテリの人が、ごくたわいもない漫画を名作だと喜んでいるのは何故なのか?かねてより不思議だったが。漫画を読む才能というものがあって、これは歌がうまいのが生まれつきなのと同じようなもんだ。知力は関係がない。ただ本人が気付いてないだけ。
漫画の多くは子どもでも読めるように分かりやすく記号化して描いてあるので、読む能力のないインテリでも簡単に読めて感動して評価してしまう。ところがそんな人はどれだけ知力があっても林静一やつげ忠男を見て理解することができない。これがゲージツセンスの問題なのだ。
教養がなくても安部慎一を読んで涙することは出来る。ところが安部慎一作品は記号やデフォルメを一切使ってないし、予定調和の世界でもないので、読めない人は教養があっても読めない。この漫画を読む能力が頭の良い悪いとは別の能力であるという点。画質の問題もあるけど。
追加:漫画は簡単に読めてしまうので教養ある方なら誰が大いに語っても良いが、つげ義春以降の作品群がまるで読めない人もいるし、つげ義春以降の作品群しか読めない人もいる。実際ありがたいのは何でも読める人である。
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