漫画家まどの一哉ブログ
クッキー缶の街めぐり(過日mixi日記より)
青林工藝舎から田中六大さんの新刊「クッキー缶の街めぐり」を、送ってもらった。多謝。
あらためて読むとさわやかにとぼけていて面白い。さわやかさんという名前のおじさんが登場するが、素敵にいいかげんな人間だ。なんだか若手漫画家にとって年長者の自分の頼りなさを見ているようで救われる。よく読んでみれば、登場する若者たちもかなりテキトーなヤツが多くて安心する。
これが田中六大のリアリズムで、メルヘン&ファンタジーの設定であるだけに、よけいに愉快です。自分のいちばん好きな作品は「さわやか魔法研究所」で、少女オルガは、かつてHIMEJOHNから発行された「魔法少女くるみちゃん」のごとくトボケた女の子であります。
ところで自分の好きなエリアーデというルーマニアの作家の作品には、よく戦争や空襲が登場して、いつの時代の空襲なのか調べもせずに読んでいたが、田中六大作品にも良く出てくる戦争や空襲の話題は、やはりヨーロッパの旧市街が戦禍を残しているという事実から発想しているのだろうか。そういった破滅や死が、このファンタジー作品集のなかに必ず顔を出しているのも、私の好むところです。
http://www.seirinkogeisha.com/
追記:トムズボックス「楽園へ行く」田中六大 この本も面白いよ。風味があって。
あらためて読むとさわやかにとぼけていて面白い。さわやかさんという名前のおじさんが登場するが、素敵にいいかげんな人間だ。なんだか若手漫画家にとって年長者の自分の頼りなさを見ているようで救われる。よく読んでみれば、登場する若者たちもかなりテキトーなヤツが多くて安心する。
これが田中六大のリアリズムで、メルヘン&ファンタジーの設定であるだけに、よけいに愉快です。自分のいちばん好きな作品は「さわやか魔法研究所」で、少女オルガは、かつてHIMEJOHNから発行された「魔法少女くるみちゃん」のごとくトボケた女の子であります。
ところで自分の好きなエリアーデというルーマニアの作家の作品には、よく戦争や空襲が登場して、いつの時代の空襲なのか調べもせずに読んでいたが、田中六大作品にも良く出てくる戦争や空襲の話題は、やはりヨーロッパの旧市街が戦禍を残しているという事実から発想しているのだろうか。そういった破滅や死が、このファンタジー作品集のなかに必ず顔を出しているのも、私の好むところです。
http://www.seirinkogeisha.com/
追記:トムズボックス「楽園へ行く」田中六大 この本も面白いよ。風味があって。
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