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「語るボルヘス」 J・L・ボルヘス
読書
「語るボルヘス」J・L・ボルヘス 著
(岩波文庫)

ボルヘスについては、その虚構の文献を作るような作風がどうも馴染めずもどかしさを感じていた。語っているボルヘス本人が透けて見えて、ロマンあふれる世界へ連れて行ってくれないのだ。
その点でこの講演記録はまさにボルヘスが語っているので、違和感なく楽しむことができた。取り上げられている5つのテーマはどれもわかりやすく、とっぴな解釈もなくて凡人でも楽しめる。

「書物」:古代では書物は崇拝されておらず、口頭に比べて死んだ言葉という扱いだった。これは目ウロコ。モンテーニュは書物は喜びを得るものと捉えていて、難解晦渋なものは投げ出すことにしている。これは自分も大いに同意。
「不死性」:「われわれ一人は、何らかの形でこれまで死んでいったすべての人間なのです」ボルヘスの信じている不死とは個人のそれではなく。宇宙的な広がりを持つ広大無辺のもの。死んでからもボルヘスであることは勘弁してくれという。
「エマヌエル・スヴェーデンボリ」:他界を自由に往き来したスヴェーデンボリ。彼の記録は幻想に侵されて正気を失ったようなものではなく、至極冷静に記録された旅行記のようなもの。あくまで知的営みであるところが面白い。
「探偵小説」:ポーは自身はアル中で神経症だが、書かれた怪奇幻想の世界は全く知性の産物であり迷妄状態が反映されたものではない。これは自分も常々思っていたところ。よって探偵小説とも自然なつながりがある。
「時間」:過去・現在・未来。時間を川の流れに例える伝統的な考え方。そして永遠の繁栄としての時間。時系列はひとつではないかもしれない…。結論はないけどいろいろと思いは巡る。

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