漫画家まどの一哉ブログ
「意識の正体」 櫻井 武
「意識の正体」
櫻井 武 著
(幻冬舎新書)
意識とは何か。記憶の種類や無意識の働きから発達するAIの問題まで。意識の本質をトータルに俯瞰する。
睡眠中意識は途絶えているが、その間に脳は情報を整理していて、たとえばノンレム睡眠中海馬の活動はリプレイされて不要な情報はカットされる。もともと生物は睡眠状態こそが基本であり覚醒があとから加えられた戦術である。記憶は睡眠中に海馬から大脳皮質へ転送され、目覚めた後も私という意識が継続される。
記憶は4種類ある。ごく短期的な作業記憶、物語を覚える陳述記憶、体で覚える手続き記憶、感情に紐づいた情動記憶。それぞれ異なる脳の仕組みによって支えられこのネットワークによって意識は育まれ一体のものとなるのだ。そしてこの主観的世界はやはり肉体からの絶え間ない情報と感情の再現あってこそのもので、機械の中に全てコピーされても意識とはならないであろう。
臨死体験中に脳は覚醒時よりも活動的な脳波のパターンを示すらしい。
死によって自分の脳が編み上げてきた世界は消滅。私が観測していた世界と私が感じていた時間の感覚(時間と思っていたもの)も消えてしまう。人類が滅んだあと観測者のいない世界は世界であろうか?
などなど興味深かった。AIを含むテクノロジーの発達により様々な事態が予測されるが、人工脳の自己同一性についてもっと読みたかった。
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