漫画家まどの一哉ブログ
「100語でわかるフロイト」 ジャック・アンドレ
「100語でわかるフロイト」
ジャック・アンドレ 著
(白水社文庫クセジュ・堀川聡司/河野一紀 訳)
フロイトの残した主要な業績を100の単語からその人生を含めて振り返る。クセジュ100語シリーズ。
五十音順に辞典形式で項目が並んでいるが、けっして単なる用語辞典ではなく、著者ジャック・アンドレの研究的著作のようなもの。フロイトの人生と思想の変転をも追っていて、フロイトをよく知らない自分のような者でも面白く読めた。しかしフロイトの精神分析の基本である幼少期の性的な発達理論はなぜそう言えるのか納得できるわけではない。
その点は研究者でなければどうこう言えるものでもないだろう。
ただ性的エネルギー(リビドー)から始まる人生は感覚的に頷けるものだ。性欲動は完全に満足させることは不可能で、埋め難い隔たり、欠如として現れる。欲動の要請を満足させるものは何もない。欲動は身体的なものと心的なものの境界にあり、空想が肉体に組み込まれていることの証である。
この欲動に関する理論は体験として理解できる気がする。
子供が母親を相手にする最初の体験を性的なものとして理解することは少しおくとしても、これはもちろん受動的なものである。この受動性が根本的な始まりで、これも不思議に思っていたマゾヒズム(サディズム)の由来につながることもなんとなくわかる。しかし違っているかもしれない。奥が深い…。
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