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漫画家まどの一哉ブログ

   
「徳田秋声の周囲」
読書「徳田秋声の周囲」
川崎長太郎
 作

婦人を亡くして憔悴する文壇の重鎮徳田秋声。師を慰めるため集まった門下の中に、長太郎と年かさの女順子がいた。その順子に親しげに近づかれる川崎長太郎。

私は、反射的に、五体を棒みたいに硬直させました。東京の空気を吸って、既に二、三年経っていますが、まだひと見知り癖も抜けきらない、からきし内気な田舎者でしかありません。
「あなた、お友達になって下さいな。今、私一人で寂しいんです。一寸、世間から身を隠しているというふうなの。__お友達になって下さい。私、とてもフライよ」
中学も満足に行っていない私には、第一「フライ」とは如何なることを意味する言葉か、さっぱりのみ込めかねますし、こんな女の言うことなど、ゆめ真にうけてはなるまいと警戒心怠り亡く、が、その実、_____


この辺の文章がおもしろいなあ。いいなあ。わくわくしながら読みだした。やがて長太郎はこの放蕩文学女子の後をうかうかと追いかけるざまになってしまうのだが、その順子はあっという間に師匠徳田秋声の内縁に納まって、この小説は意外にも川崎長太郎の私小説というより、世間的には老醜をさらす徳田秋声のスキャンダル報告みたいになってしまった。これがまた面白い。といっても残された子供たちとの家庭が破壊されたあげく、女に捨てられるといったよくある内容。それでも愉しく読めればなんでもオッケー。

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