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漫画家まどの一哉ブログ

   
「神は妄想である」
読書mixi過去日記より
「神は妄想である」宗教との決別
リチャード・ドーキンス
 著

生物学の世界的権威、かのドーキンスが書いた警世の書。かつて有名な利己的遺伝子説に触れたときは、どうももうひとつ納得いかなかったが、この本はいい!俺は快哉を叫ぶ。

それにしても西欧社会、とくにアメリカにおける聖書原理主義による病理には恐ろしいものがある。物心つかない幼い頃に、教え込まれる聖書の非合理と迷信が、大人になってもいかに精神を縛り続けるか。進化論を否定し、地獄の存在におびえ、子どもにたった一つの価値観を強要し、異教徒を悪魔視して顧みない。そして、敬虔な宗教者というだけで罪は目こぼしされ、反対に無神論者というだけで忌み嫌われるという矛盾。
また自爆テロに走るイスラム原理主義者が、報復感情ではなく、天国を夢見ているという恐ろしさ。

いま、ようやく無神論者は声をあげるべき秋である。
戦う生物学者ドーキンスは、容赦がない。科学と宗教は全く相容れない分野であるから、おたがい踏み込むことはせずに、共存しよう。という一見平穏な立場に意義を唱え、神の問題は正しく科学の課題であること、そして論証を積み重ねることにより、神の存在を否定することの重要性を説く。
また、地球上の生物の偶然とはとても考えられない多様性を、誰か(神)が設計したものと考える、いわゆるインテリジェントデザイン説は、進化論(ダーウィニズム)を知らない蒙昧であることを教える。
そしてそして道徳のよってきたる所以は宗教ではなく、時代精神の反映によるというところまで。
いいぞドーキンス!がんばれドーキンス!

現在世界中で勢力を増す宗教原理主義が、いかにテロと戦争をまきおこしているか。うれしいことにこの本はアメリカでベストセラーとなったそうだ。この先、世界中の宗教の世俗化にちょっとは希望が持てるのか?

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