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漫画家まどの一哉ブログ

   
「知りすぎていた男」

映画
「知りすぎていた男」
 1956年 アメリカ
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 ジェームズ・スチュアート、ドリス・デイ


少しだらだらしていると言われればそうだが、自分は緊張感を持って観れた。オープニングでオーケストラのシンバルが大写しになり、この話のキーになる小道具だと分かる。やがてまさに殺人は、そのシンバルが大きく打ち鳴らされる瞬間に拳銃の引き金が引かれるというクライマックスに及び、ヒロインの叫び声のため犯人は銃を撃つタイミングを逃すというオチがつく。それまでの演奏会場でのはらはらする引っぱりは、まるで作家が描きながら解決策を考えているくらい長かったが、けっこう楽しめた。


ところが実はこのストーリーはここで終わりではなく、このあと人質となった子供を救出する展開へと繋がる。シンバルのシーンはクライマックスではなかったのである。大使館に子供が囚われていることが、ヒロインの歌声に呼応する子供の口笛でわかるのだが、これも物語の最初にホテルの部屋で親子で歌うシーンがあって、ちゃんと伏線が敷いてあるのだ。


ということはシンバルのタネと歌のタネの2つの仕掛けが重なって仕掛けられているわけで、これは自分は失敗だと思う。オーケストラの演奏会場で殺人が未遂に終わって話も終わるのが納得できる。その他スパイの変装や、実は悪人の牧師、動きの鈍い警察、善人過ぎる主人公など、今観れば手垢のついた設定でも面白ければまったく気にならない。アナログ時代のサスペンスの楽しさ!

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