漫画家まどの一哉ブログ
「魔法の樽」 マラマッド
読書
「魔法の樽」マラマッド 作
(岩波文庫)
ニューヨークやイタリアを舞台に底辺で商売に生きる人々を描いた珠玉の短編集。その多くが不遇なるユダヤ人。
ドラマ性の濃い短編ばかりで、面白くすることに躊躇がない。文章自体はごくわかりやすいもので、登場人物の言動がそのまま伝わればいい書き方。映画やテレビドラマを見ている感覚で読める。作者の両親がユダヤ移民で雑貨店を営んでいたので、同じような設定が多く出てくる。破滅に至らないまでもうまくいかない人生の悲哀を描いて悲しい。
「天使レヴィン」:人生の危機に際して、信仰心厚い男は神に祈るが、現れたのは黒人の天使だった。なぜ黒人かというとたまたま順番がそうだったから。この天使と自称する男の言い分を信じていいのだろうか。
「ほら、鍵だ」:若きイタリア史研究者一家がローマに移り住んで住まい探し。予算もなく、なかなか条件に合う物件にめぐり合わないでいるところ、フリーの不動産仲介業の男にふりまわされる。喜劇であり悲劇であるがなかなかにリアル。みな大変だ。
「請求書」:マンション管理人の男は、向かいにある老ユダヤ人夫婦が営む雑貨店でツケで買い物ができることに気付き、おおいに買い物するがいっこうに支払う様子がない。全く無計画な男。いったい何がしたいのだろう。
「魔法の樽」マラマッド 作
(岩波文庫)
ニューヨークやイタリアを舞台に底辺で商売に生きる人々を描いた珠玉の短編集。その多くが不遇なるユダヤ人。
ドラマ性の濃い短編ばかりで、面白くすることに躊躇がない。文章自体はごくわかりやすいもので、登場人物の言動がそのまま伝わればいい書き方。映画やテレビドラマを見ている感覚で読める。作者の両親がユダヤ移民で雑貨店を営んでいたので、同じような設定が多く出てくる。破滅に至らないまでもうまくいかない人生の悲哀を描いて悲しい。
「天使レヴィン」:人生の危機に際して、信仰心厚い男は神に祈るが、現れたのは黒人の天使だった。なぜ黒人かというとたまたま順番がそうだったから。この天使と自称する男の言い分を信じていいのだろうか。
「ほら、鍵だ」:若きイタリア史研究者一家がローマに移り住んで住まい探し。予算もなく、なかなか条件に合う物件にめぐり合わないでいるところ、フリーの不動産仲介業の男にふりまわされる。喜劇であり悲劇であるがなかなかにリアル。みな大変だ。
「請求書」:マンション管理人の男は、向かいにある老ユダヤ人夫婦が営む雑貨店でツケで買い物ができることに気付き、おおいに買い物するがいっこうに支払う様子がない。全く無計画な男。いったい何がしたいのだろう。
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