漫画家まどの一哉ブログ
「エドウィン・ドルードの謎」 チャールズ・ディケンズ
読書
「エドウィン・ドルードの謎」
チャールズ・ディケンズ 作
(白水Uブックス)
絶筆となった未完の長編。ある日忽然と姿を消した青年の行方を追って、虚実入り混じる著者渾身のミステリー。
殺人事件の犯人と思しき男の異常な性格が次第にあらわになり、いよいよ得体の知れない探偵登場というところで終わっているのだが、それでも細かい活字の新書本で400ページ近くある本格長編小説。
未完とはいえここまでがあまりに面白く、さすがにただのミステリーではない。その登場人物のなまなましさたるや、悪人および卑小・下劣な人間を書かせたら文豪の中でもディケンズは抜きん出ているかもしれない。
甥っ子に異常な愛を注ぎ、若い娘には一方的な恋情を寄せるアヘン中毒者の聖歌隊長。子供に石を投げつけられても平気の、頑健な風来坊の石工の男。薄っぺらな名誉と支配欲に余念がない町長。正義漢だが血気盛んで直情的なため、犯人と間違えられてしまう青年。冷静なその妹。カタブツだが着実に少女を救うべく手を打つ老法律家。その他石投げ不良少年やアヘン密売女など、善悪入り乱れてこれでもかとばかりに色濃いキャラクター揃いの、不滅のエンターテイメント。これぞディケンズ。
「エドウィン・ドルードの謎」
チャールズ・ディケンズ 作
(白水Uブックス)
絶筆となった未完の長編。ある日忽然と姿を消した青年の行方を追って、虚実入り混じる著者渾身のミステリー。
殺人事件の犯人と思しき男の異常な性格が次第にあらわになり、いよいよ得体の知れない探偵登場というところで終わっているのだが、それでも細かい活字の新書本で400ページ近くある本格長編小説。
未完とはいえここまでがあまりに面白く、さすがにただのミステリーではない。その登場人物のなまなましさたるや、悪人および卑小・下劣な人間を書かせたら文豪の中でもディケンズは抜きん出ているかもしれない。
甥っ子に異常な愛を注ぎ、若い娘には一方的な恋情を寄せるアヘン中毒者の聖歌隊長。子供に石を投げつけられても平気の、頑健な風来坊の石工の男。薄っぺらな名誉と支配欲に余念がない町長。正義漢だが血気盛んで直情的なため、犯人と間違えられてしまう青年。冷静なその妹。カタブツだが着実に少女を救うべく手を打つ老法律家。その他石投げ不良少年やアヘン密売女など、善悪入り乱れてこれでもかとばかりに色濃いキャラクター揃いの、不滅のエンターテイメント。これぞディケンズ。
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