漫画家まどの一哉ブログ
「統合失調症」 村井俊哉
読書
「統合失調症」村井俊哉 著
(岩波新書)
帯及び告知惹句に「青年期を中心に100人に1人近くが患う」「本人は病気と認めないことがある」「幻覚や妄想が生じる」とあり、これはもしかすると自分が10代後半から20代前半に陥った病状を解明する手がかりになるのではないかと思い読んだ。
自分の場合は精神的に未発達のまま高校に入学したためのショックとパニック(いわゆる高1ギャップ?)。数年に及ぶショック状態。逃避的誇大妄想と論理的思考の破綻であるから、ここで掲げられている「自分の考えが他人に知れ渡っている」などの妄想とはちょっと趣きが違う。ただ論理的思考を失うのは同じかもしれない。
自分がもっとも興味を持ったのは「病識がない」という状態で、本人は病気だと思っていない。これは自分もそうで、それゆえ医者に行かずに数年かけた結果社会復帰したが、そのときは妄想が少し解けたり、世界に対する心の壁がやや薄くなって、「あれ?今まで少し異常だったのかな?」と気づくことの段階的繰り返しであった。
自分はこれまでいわゆる神経症というものの一種だと思っていたが、神経症という言い方は近年変わってきているらしい。分類をみると「心的外傷およびストレス因関連障害群」というのが近い気がするが、これは一般にはPTSDとして話題にされるので違うかもしれない。
社会に対して常に緊張して身構えているので、ふだんの対人交流もなく暗黒的な心の状態がベースとなっていたが、「統合失調症」の場合ベースとなる心のトーンはどうなのだろうか。この著書にはそのあたりの視点は見えなかった。
「統合失調症」について恐ろしい病気だはないかという世間の誤解を解き、社会全体でフォローしていかねばならないことがよくわかる。著者の医師としての誠実さを感じた。
「統合失調症」村井俊哉 著
(岩波新書)
帯及び告知惹句に「青年期を中心に100人に1人近くが患う」「本人は病気と認めないことがある」「幻覚や妄想が生じる」とあり、これはもしかすると自分が10代後半から20代前半に陥った病状を解明する手がかりになるのではないかと思い読んだ。
自分の場合は精神的に未発達のまま高校に入学したためのショックとパニック(いわゆる高1ギャップ?)。数年に及ぶショック状態。逃避的誇大妄想と論理的思考の破綻であるから、ここで掲げられている「自分の考えが他人に知れ渡っている」などの妄想とはちょっと趣きが違う。ただ論理的思考を失うのは同じかもしれない。
自分がもっとも興味を持ったのは「病識がない」という状態で、本人は病気だと思っていない。これは自分もそうで、それゆえ医者に行かずに数年かけた結果社会復帰したが、そのときは妄想が少し解けたり、世界に対する心の壁がやや薄くなって、「あれ?今まで少し異常だったのかな?」と気づくことの段階的繰り返しであった。
自分はこれまでいわゆる神経症というものの一種だと思っていたが、神経症という言い方は近年変わってきているらしい。分類をみると「心的外傷およびストレス因関連障害群」というのが近い気がするが、これは一般にはPTSDとして話題にされるので違うかもしれない。
社会に対して常に緊張して身構えているので、ふだんの対人交流もなく暗黒的な心の状態がベースとなっていたが、「統合失調症」の場合ベースとなる心のトーンはどうなのだろうか。この著書にはそのあたりの視点は見えなかった。
「統合失調症」について恐ろしい病気だはないかという世間の誤解を解き、社会全体でフォローしていかねばならないことがよくわかる。著者の医師としての誠実さを感じた。
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