漫画家まどの一哉ブログ
「恋する潜水艦」 ピエール・マッコルラン
読書
「恋する潜水艦」ピエール・マッコルラン 作
(国書刊行会)
海洋冒険小説3編収録。
「恋する潜水艦」:機械との婚姻が行われる世界。意思を持つ潜水艦713号艦長の航海日誌。小説というよりモダニズム散文詩のような、愉快な挿絵満載で楽しめるナンセンス文芸。「だが、時刻のくるった太陽の光でいささかしぼんだ《神われらと共にあれ》像が神殿におさまった時、あたかもとうきびの穂のように市民の手という手はすべて天をさし、町の声という声はくるったようにAZ.O2! AZ.O2!*と唱和した。(*すべての人間に理解可能な熱狂の化学式)」これだもの!
「海賊の唄」:悠々自適の独身生活を謳歌しながら海賊物語に憧れる男。その財産に目をつけた小悪党の計略にかかって、偽の地図をもとに宝物を探しにカリブ海へ出航するが…。
金に目がくらんだ男たちの正義のない冒険小説。ストーリ本位の作品でとくに味わうところもなく、読んでいて殺伐とするところはあるが、話自体はどうやって終わるのか気になった。
「金星号航海記」:海賊船金星号の冒険。大きなストーリーのあるものではなく、いろんなエピソードを次々と紹介する組立て。死体が生きている話以外は不思議なことは起きないのに、作品世界に巻き込まれてしまって陶然とする幻想文学のような味わい。もちろんカリブの海賊自体が非日常とはいえ、これも筆力というものか。夢の中にいるようだ。
「恋する潜水艦」ピエール・マッコルラン 作
(国書刊行会)
海洋冒険小説3編収録。
「恋する潜水艦」:機械との婚姻が行われる世界。意思を持つ潜水艦713号艦長の航海日誌。小説というよりモダニズム散文詩のような、愉快な挿絵満載で楽しめるナンセンス文芸。「だが、時刻のくるった太陽の光でいささかしぼんだ《神われらと共にあれ》像が神殿におさまった時、あたかもとうきびの穂のように市民の手という手はすべて天をさし、町の声という声はくるったようにAZ.O2! AZ.O2!*と唱和した。(*すべての人間に理解可能な熱狂の化学式)」これだもの!
「海賊の唄」:悠々自適の独身生活を謳歌しながら海賊物語に憧れる男。その財産に目をつけた小悪党の計略にかかって、偽の地図をもとに宝物を探しにカリブ海へ出航するが…。
金に目がくらんだ男たちの正義のない冒険小説。ストーリ本位の作品でとくに味わうところもなく、読んでいて殺伐とするところはあるが、話自体はどうやって終わるのか気になった。
「金星号航海記」:海賊船金星号の冒険。大きなストーリーのあるものではなく、いろんなエピソードを次々と紹介する組立て。死体が生きている話以外は不思議なことは起きないのに、作品世界に巻き込まれてしまって陶然とする幻想文学のような味わい。もちろんカリブの海賊自体が非日常とはいえ、これも筆力というものか。夢の中にいるようだ。
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