漫画家まどの一哉ブログ
「突囲表演」 残雪
読書
「突囲表演」残雪 作
(河出文庫)
謎の女「X女子」をめぐる人々の常軌を逸した動向を追う長編小説。はたして彼女はそれまでの伝統的な習俗を破壊する進んだ女性なのか?「Q男子」との不倫関係はほんとうにあったのか?
悪夢の中をさまよって出られない他の残雪作品と比べると読みやすい。息がつげる。これならついていけるとスルスル読み進むが、なんだか極端な人間ばかり登場して、どこへ行くのやらわからないし何処へも行かない。
文庫本にして500ページ(改行なし)の長編ながら、謎の女「X女子」とその周辺の男子や女子の性生活をめぐって、いろんな噂や調査が入り乱れるといった内容から一歩も出ないスケールの小ささ。
多くの女性が自分の女としての魅力に自信を持っている一方で、腑抜けのように「X女子」に付き従う男たち。秩序を紊乱する異端分子として現れた彼女だが、最終的には進歩派として街を代表する人間にされてしまう。このカリカチュア的な展開も実は社会風刺として読むべきなのだろうか?大いなるナンセンス小説といえばそうだが、単純に風刺小説と捉えてしまっては面白くない。言葉の無駄遣いこそが芸術の醍醐味である。さすが残雪、意味のある散文で不毛さの構築に容赦がない。
「突囲表演」残雪 作
(河出文庫)
謎の女「X女子」をめぐる人々の常軌を逸した動向を追う長編小説。はたして彼女はそれまでの伝統的な習俗を破壊する進んだ女性なのか?「Q男子」との不倫関係はほんとうにあったのか?
悪夢の中をさまよって出られない他の残雪作品と比べると読みやすい。息がつげる。これならついていけるとスルスル読み進むが、なんだか極端な人間ばかり登場して、どこへ行くのやらわからないし何処へも行かない。
文庫本にして500ページ(改行なし)の長編ながら、謎の女「X女子」とその周辺の男子や女子の性生活をめぐって、いろんな噂や調査が入り乱れるといった内容から一歩も出ないスケールの小ささ。
多くの女性が自分の女としての魅力に自信を持っている一方で、腑抜けのように「X女子」に付き従う男たち。秩序を紊乱する異端分子として現れた彼女だが、最終的には進歩派として街を代表する人間にされてしまう。このカリカチュア的な展開も実は社会風刺として読むべきなのだろうか?大いなるナンセンス小説といえばそうだが、単純に風刺小説と捉えてしまっては面白くない。言葉の無駄遣いこそが芸術の醍醐味である。さすが残雪、意味のある散文で不毛さの構築に容赦がない。
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