漫画家まどの一哉ブログ
「神戸・続神戸」 西東三鬼
読書
「神戸・続神戸」西東三鬼 作
(新潮文庫)
俳人西東三鬼の実話小説。戦前から戦後にかけて、多人種がたむろする神戸のホテル住まいの思い出。そこは他に生きるすべもなく体を売って生活する女たちの住まいでもあった。
文庫本解説の森見登美彦が「まるで人の良い天狗が書いたようだ」というのがまさにうなずける作者の人柄があふれ出た話。女性に対して男権主義的にふるまうところがなく、ごく自然にフラットに接することができる人らしい。また親切で骨身を惜しまないので常に女たちが出入りしている。その付き合いに性的な視線はまるで感じられない。仲人もどきの東奔西走や頼まれて子供を産ませてやったりと、ちょっと信じられない人の良さだが、話半分に聞くとしてもこの安ホテル住まいのほとんどが女で、多勢に無勢というところもあったかもしれない。それにしてもめずらしい人だと思う。もちろん基本的に昔はみな貧乏で、助け合ってオープンに生きていたのは今の世の中とちがうところだけど…。
そんななかでもしばらく離れていた現代俳句に対する想いがしだいしだいに大きくなっていくところが、ああこの人は本気だったんだなとあらためて思う。とは言え自分は俳句に関して何も知らない。
「神戸・続神戸」西東三鬼 作
(新潮文庫)
俳人西東三鬼の実話小説。戦前から戦後にかけて、多人種がたむろする神戸のホテル住まいの思い出。そこは他に生きるすべもなく体を売って生活する女たちの住まいでもあった。
文庫本解説の森見登美彦が「まるで人の良い天狗が書いたようだ」というのがまさにうなずける作者の人柄があふれ出た話。女性に対して男権主義的にふるまうところがなく、ごく自然にフラットに接することができる人らしい。また親切で骨身を惜しまないので常に女たちが出入りしている。その付き合いに性的な視線はまるで感じられない。仲人もどきの東奔西走や頼まれて子供を産ませてやったりと、ちょっと信じられない人の良さだが、話半分に聞くとしてもこの安ホテル住まいのほとんどが女で、多勢に無勢というところもあったかもしれない。それにしてもめずらしい人だと思う。もちろん基本的に昔はみな貧乏で、助け合ってオープンに生きていたのは今の世の中とちがうところだけど…。
そんななかでもしばらく離れていた現代俳句に対する想いがしだいしだいに大きくなっていくところが、ああこの人は本気だったんだなとあらためて思う。とは言え自分は俳句に関して何も知らない。
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